■あなたの目の前にいるのは、何者なのか?
私がこのブログを書こうと思ったのは、当たり前のことだけど、この世界はたくさんの数えきれない、いくつもの小さな仕事によって成り立っていて、それをたどっていくと最後は「人」にたどり着くというメッセージを伝えたかったから。
時々忘れてしまうかもしれないが、「スタッフ」という人はいない。「案内係」という人も「会社」という人も。ましてや「バイト」という人物も存在しない。そこにいるのは、「○○さん」という人なのだ。
生まれた場所も育った環境も価値観も違う、だけど共通点もある○○さんがチケットをもぎったり、案内したりしている。
あなたの目の前にいる人は、スタッフさんでも、案内さんでも、正社員さんでもバイトさんでもなく、一人の人間だと気づいてほしい。
いろいろな側面がある、一人の人間がその瞬間だけある役割を演じている。私もそう。ある時は聴衆で、ある時はアーティストで、だけれどもこの瞬間はスタッフという役割を演じている。
スタッフとして、ではなく一人の人間として、何を思いながら生活や仕事をし、今あなたの前に立っているのか。その仕事をお客さんとしてではなく、別の視点から眺めることができたら、今起きている出来事を違う風に解釈できるかもしれない。
とは言っても、私たちは、表向きにきれいにパッケージされた最終形態を提供されているため、その裏側やプロセスを知るのはなかなか難しい。
それに、日常で関わる人すべてにそんな思いをはせるのは、現実的ではない。私だって分からない。
だけれども、たくさんいるスタッフすべてのことが分からなくても、誰か一人の視点を借りて、コンサートホールを見ると、違った見方ができるかもしれない。
そのことにどんな意味があるのか?と問われたら、正直分からない。
見えないようにサポートするのが美徳とされている案内係の仕事内容を知ってもらおうとするこのブログは、矛盾していると言われればそうだ。
ただ、私は、会社のホームページなどに乗っている「社員の声」みたいに、きれいにパッケージされたものではなくて、「生の声」を届けたい。
欠点もあれば失敗もする。自分の仕事を認められたら、すごく喜ぶし、些細なことで落ち込みもする。
あなたの前にいる人は、「機械」ではなく「人間」だということに、時々気づくきっかけになったらと思い、このブログを書いています。