案内係やーぼのブログ

コンサートホールで案内係をしている著者が、出演者・聴衆・スタッフの思いが響き合い乱反射する、劇場の魅力を語ります。

コンサートの静寂を破る「ゴホゴホ音」が嫌だ

私には、ずっとずっと言いたかったことがある。


■みなさま、こんにちは。



クラシックコンサートホールの案内係やーぼです。

本日は、そんな私が学生の頃から気になっていた、コンサートでのある現象?についてお話します。

クラシック音楽の演奏は、基本的にスピーカーなどは使わずに生の音で伝わってきます。スピーカーを使用することもありますが、限りなく生の音に聞こえるように音響さんが調整をしています。

そのため、演奏の話し声やあめの包みを開ける音、パンフレットをめくる音、カバンの開け閉めの音は、とても目立ちます。

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目立たなくても、気になる人が多く、コンサートホールではよくクレームの原因になります。

しかし、私には、このほかにクレームを言うのはちょっと違うかなーと思いつつも気になることがあるのです。


■それは、ずばり「楽章間や小曲と小曲の間のゴホゴホ音」です。


クラシックコンサートになじみのない方のために少し説明をしますと、クラシック音楽のコンサートには、いくつか暗黙の決まりごとがあります。

その一つが「(基本的に)楽章間には拍手をしない」というもの。

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例えば、ベートーヴェンが作曲した『交響曲第9番 ニ短調 作品125(Sinfonie Nr. 9 d-moll op. 125)』という曲があります。

この曲は、1時間ほどの曲ですが、ずーっと途切れなく続いているわけではなく、1楽章、2楽章、3楽章、4楽章と4つの大きな区切りがあります。

曲によって楽章は、続けて演奏されるものもありますが、1楽章の終わりなどは、区切れた時、一つの曲が終わったように感じるものが多くあります。

しかし、実際には1~4楽章をまとめて一つの曲ととらえるので、曲が終わったように思えても、最後の楽章が終わるまでは、基本的に拍手はしません。

なので、次の楽章に入るまでのほんのわずかな時間、コンサートホールを静寂が包みます。

この少し緊張のある静寂の時間に、「ゴホゴホッ」とどこからか聞こえ、それに連鎖するようにあちらからも「ゴホッ」こちらからも「ゴホッ」。

今まで、息をつめて聴いていたのか、のどのうるおい不足なのか「コンコン」、「ゴホゴホ」が連鎖。

さらに、今のうちに「ゴホゴホ」しておこうとしているのか、絞り出すような空咳に加え、

「ゴホゴホ」を通り越して、明らかになんの配慮も感じられない、「ゲホゲホ」、「ぐしゅぐしゅ」、ゴホゴホオーケストラか!



う、うるさ…。先ほどまでの美しい響きはどこへやら。



咳は、生理現象なので、どうしようもないですよね。

でも、この「ゴホゴホ音」が


すごく気になる。



私が言いたいのは、すべての音が不快だというのではなく、配慮もなく、「ゲゲゲゲ」「ゴゴゴゴ」としているのが気になるということです。


■私が以前合唱のセミナーに参加したとき、一番初めにドーソーミーなどと最初の音を取っていたら、「そんな音が楽譜のどこに書いてあるの!」と先生に注意されたことがります。「楽譜に書いてあるならやりなさい、でも楽譜に書いてないならやめなさい(あるいはもっとひっそりやりなさい)」と。

少し、状況は違うけれども、楽章と楽章の間に「ゴホゴホ」しろとは書かれていないのになー。なんて思ったりするのですよ!


みなさんは、いかがですか?


以上、コンサートのゴホゴホ音に関する、案内係の愚痴でした。

 

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