案内係やーぼのブログ

コンサートホールで案内係をしている著者が、出演者・聴衆・スタッフの思いが響き合う、劇場の魅力を語ります。

【受付スタッフ】成功のカギは開場前の準備にあり!業務スケジュールについて語る


■コンサートのお手伝いスタッフ、何時間前に来てもらえばいい?

コンサートなどの公演で、スタッフをお願いするとき、実際どれくらい前に業務を開始してもらえばよいでしょうか?規模にもよりますが、一般的には、開場の1〜1.5時間前からスタートすることが多いです。そして、終演後までお願いする場合は、終演後の片付けや売上の報告に、30分ほどかかることも念頭に置いて決めます。


(スタッフが劇場に常駐している「小屋付きスタッフ」の場合、業務開始は開演1時間前からというケースがほとんどです。)

もし、フライヤーの挟み込み作業などが必要な場合は、1時間半〜2時間前には現場に来てもらうことをおすすめします。

ご家族や友人など、プロではない方にスタッフをお願いする場合、慣れていないために準備に時間がかかることがあるため、もう少し早めに集まることを検討してみてください。

■開場の準備と流れ

私が業務を開始するとき、まず最初に行うのは次のような準備です。

  • スタッフの人数確認と紹介
  • スタッフの荷物置き場の確認
  • ミーティングでその日の流れや役割を説明
  • ホール内・周辺施設の見学(トイレや自動販売機の場所、同じ施設内にある他ホールの公演時間など)
  • 特別な配慮が必要な方の導線確認
  • 受付の位置や机、パーテーションなどのセッティング
  • 当日券や預かりチケットの確認、セッティング
  • 物販の準備(在庫や釣り銭の確認、売り場のレイアウト)
  • 各スタッフへの業務レクチャー


■ミーティングの重要性

開場前の準備こそが、スムーズな公演運営を左右する非常に重要な時間です。しばしば、ミーティングは必要ないと考えている責任者に会うことがあります。しかし、私はミーティングこそ、公演の成功を左右する重要なものだと考えています。

なぜなら、各スタッフが自分の役割や当日の進行を理解していることで、開場後や公演中に発生するイレギュラーな状況にも対応しやすくなるからです。

 

ビジョンを共有していれば、それぞれの資質が違っていても進めやすくなります。また、その日の責任者や主催者のスタンスを共有することも助けになります。

ミーティングは、順番が前後したり、時間がない場合は、挟み込みを行いながら平行して行うこともあります。


私は「開演前」つまりお客様をお迎えする前の時間が、公演の成功を左右するカギだと思っています。


■「15分くらい前に来てくれればいいから」の罠


時々「15分くらい前に来てくれればいいから」と言う主催者もいます。開場時間にお客様が来場するのに合わせて、スタッフにも来てもらい、適当にチケットをもぎって案内して、受付してくれればいいからみたいな。

あるいは、その場その場で、自分が指示を出す通りにだけ動いてくれればいいからとか。

これ、うまくいきません。

どんな状況でも豊富な経験と知識、技術で、その場で、パッと対応できる優秀でベテランのスタッフなら大丈夫だと思います。もう、チーフでもできますみたいな。

受付や案内なんて誰でもできる。資格が必要ないという意味では。

しかし、慣れていない人にとって、あるいは、慣れていると思い込んでいる人も含めて、それは簡単ではありません。また、個々のスタッフが公演の全体像を把握せずに動けば、高い確率で、ひずみが生まれます。

どんなに短くて簡潔になってもいいので、その日のスタッフ全員で集まって、その日の公演内容について、同じ情報を共有することは、必須です。

主催者やその日の責任者の頭の中にイメージがあるからいい、と思っている人がいますが、ほとんどの場合うまくいかず、スタッフやお客様に八つ当たりすることになります。


■この公演、危ないなと思うとき

うまくいかない公演は、開場する前に分かります。経験のある人なら、引っかかるものがあるので、これは危ないぞと思うものです。

そこで、そのことについて質問すると、そういう人に限って納得のいく答えが返ってきません。「そんなこと考えなくていいから」とか「問題ない大丈夫」と突っぱねられてしまうこともあります。

そして、開場時間まで、暇そうに過ごしていて、開場してからとんでもないミスに気が付き、会場が大混乱、クレームの嵐、開演時間に開演できない、ということになるのです。

開場までの短い時間でも、些細なミスや不明瞭な点を確認しておけば、大混乱を未然に防ぐことができます。公演を成功させるカギは、こうした「ちょっとしたこと」の積み重ねです。

それらが積み重なって、スムーズな公演は成り立っています。そのほんのちょっとしたことに、素人の方はなかなか気づくことはできません。

だからこそ、それらを包括的に考えてデザインできる人が必要です。何事もなくスムーズに進行しているように見えても、水面下では、いろいろなことが起きているものです。それらを何事もなかったかのように処理するには、技術や経験、知識が必要です。


■予防&防止&緩和

そして、それ以上に大切なことがあります。

時々いらっしゃるのですが、問題を放置して大事になった後、鎮静化に労力を費やしたことで、大きな仕事を終えたように満足げにしている主催者が。自分のおかげでことが収まったと言っていますが、そもそも、あなたの運営管理の甘さが問題を招いたんですよ!イラッ

何度も言いますが、案内業務の本質は、問題にいち早く気づき、事前に予防&防止&緩和することであり、それこそが、一般の人と、案内係の差であり、プロのなせる業だと思います。


いかがでしたでしょうか。公演と一言で言っても、ホールやジャンルなどが、多種多様ですべてを説明できないのですが、公演のお手伝いスタッフと業務スケジュールについて、共通して言えることについて、いくつかお話しました。


質問やもっとこういうことが知りたいという要望がありましたら、メッセージください!

 

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