【ハンガリー滞在記2019】#29
2019年4月26日
■ここまでのあらすじ
時は、2019年。私が20代の頃。語学力が著しく低く、10日以上海外で過ごしたことのなかった、コンサートホールの案内係の私は、一か月間海外で過ごすことに挑戦する。それは、当時の私にとってとてつもなく勇気のいることだった。
長い構想の末(怖くてうだうだ考えていただけ)ついにその思いをかなえるためハンガリーへと旅立つ。しかし、1日目から乗り継ぎの空港で、ハンガリー行きの飛行機に乗り遅れるというミスをしてしまう…。
ようやくハンガリーにたどりつくものの、そこにはさまざまな試練が待ち受けているのだった。
今の自分を形作っているものを挙げろと言われたら、間違いなくこの時の経験だと言える。なので、コンサートホールの案内の仕事を紹介するブログのテーマとは異なるが、あえて記事を書くことにした。
■ピザ屋さんでクレジットカードが破損する。
夜、アパートの停電が直り、ホッとした私は、ピザをテイクアウトして食べることにします。
が、しかし、
ピザ屋さんで、ノリノリの店員さんにクレジットカードを渡したら、手を滑らせてカードの挿入された機械が床に落下。
バキッという音が聞こえたようないないような…。
その衝撃でカードにひびが入ってしまった。繋がっている部分は、ほんの数ミリ。かろうじてつながっている状態。真ん中から2つに分かれるのは、時間と使い方の問題だ。
クレジットカードは1枚で十分と思っていたが、そうではないようだ。とこの時痛感しました。(当たり前だろうという声が聞こえてきそうですが、この時の私は、重たくなるから2枚もいらないと思っていたのです。)
せっかくコンセント直ったのに...。もう、なんで。
後日、イタリアに留学したこともある声楽の先生にこのことを話したら、私なら「ただにしろ!!」と言うと言っていました。
数々の困難を乗り越えて、舞台に立ち続ける人は違うなと思いましたが、この時の私は驚きのあまり、そんなことすら思い浮かびませんでした。
まだまだ、甘ちゃんです。
ちなみに店員さんは、あっやっちゃった…。という表情で、申し訳なさそうにしていました。そして、レシートの下に割れたクレジットカードを忍ばせて渡してきました。
この日は、新たなモヤモヤを抱えながら、アパートでピザをかみしめました。
そして、割れたクレジットカードの使用法を編み出すことになるのです。