【ハンガリー滞在記2019】#17
2019年4月18日 後編
■ブダペスト芸術宮殿 (Müpa Budapest)
お昼に、セーチェニ温泉(Széchenyi gyógyfürdő)を満喫した後、いったんアパートに戻り荷物を置いた後は、韓国の踊りを観にブダペスト芸術宮殿 (Müpa Budapest)を訪れました。
ブダペスト芸術宮殿は、ドナウ川の近く(Budapest, Komor Marcell u. 1, 1095) に建つ、広大な面積を誇る現代的な複合文化施設です。正式にopenしたのは2005年3月。
ホームページによるとシリアス、コンテンポラリー、ライト、ジャズ、ワールド ミュージック、オペラ、 ダンス、文学、映画、新しいサーカスのためのスペースなど、
多種多様な芸術を一堂に会する施設であり、このような複雑な文化的目的を持った複合建築物は 20 世紀のハンガリー建築では前例がないとのこと。
https://www.mupa.hu/rolunk/az-epuletrol HP
私はこれを読んで「東京劇術劇場」を思い浮かべました。
どちらも、さまざまなジャンルに対応する複数のホール、練習室やリハーサル室、カフェコーナーやパブリックスペースなどを備えた「複合的な文化施設」で、劇場で創り、つまり「創造」し「発信」することを掲げているのです。
Müpa(ミューパ※)は、それのさらに拡張した巨大バージョンと言ったらよいでしょうか。
※Müpa Budapest の Müpa(ミューパ)。どうやら「ミューパ」の愛称で親しまれてらしい。
建物のエントランス側の側面は、総ガラス張りとコンクリートの打ちっぱなしの壁。建物全体は巨大な5角形のアシンメトリーのキューブをドーンと置いたような感じ。
その上に、小さめのアシンメトリーな形の箱が、右と左に2つ乗せてあります。全体的に渋い色合いです。
さっそく、劇場のエントランスへと入っていきます。
・・・!!
何でしょう、
この開放的でモダンで色鮮やかな空間は!?
歴史あるオペラ座とは異なる、モダンさがなんとも素敵です。
私の中には、ざっくりと、こんなイメージがあります。
コンサートホールは、荘厳で品があり、落ち着いたイメージ
オペラなどを行うホールは、ゴージャスなイメージ
演劇は、こじんまりとしていて、小屋というイメージ
多目的なホールは、どんな演目にも合うような、シンプルなイメージ
などです。
しかし、この劇場は、アシンメトリーな構造にさまざまな素材がコラージュのように組み合わされ、ほかの劇場にはない、独特な雰囲気を放っていました。
木の温かみと観葉植物の放つ、みずみずしさ。異なる大理石を大胆に合わせた、幾何学的な模様。カーペットの切り込み方も斬新です。
吹き抜けの開放的な感じと、遊び心にあふれた空間は、ポップなのに上品な印象を受けるのはなぜでしょうか。
これだけ、さまざまなものがコラージュのよう組み合わさり、色合いも強烈なのに、雑多な印象はなく、一つ貫いているものがあると感じました。
これを最初に考えた人の頭の中って、どうなっているのだろう?そして、その人の頭の中にあったものを具現化した技術の高さにも驚きです。
なんというか、新しい時代を感じます。
私はこの日、学生券を買いました。
チケットカウンターのスタッフは、英語も話しました。
床と壁の大理石の斬新な組み合わせ。柱も左右で、素材が違います。
そして、天井の切り込みやライトの位置も空間演出のために緻密に計算されているに違いない。
■フェスティバルホール(Fesztivál Színház)
この劇場には、いくつかホールがあるのですが、今回訪れたのは「フェスティバルホール」という座席数459席の小ホールです。
このホールの特徴は、最新の音響技術を備えており、演劇、ダンス、室内楽、ジャズ、ワールドミュージック、ポップスなどのパフォーマンスに適しています。
場内は木の温かみと深みを感じる落ち着いた雰囲気。この日は、たくさんの人でにぎわっていました。
私の席はどこかなー。私は、この時あることに気が付きます。
それは、指定席のはずなのに、座席番号がない…。みんな席に座っているのに、なぜ?
そして、案内された席がこちら。
・・・。席は?
なんと学生券は立見席だったのです。
よく見ると立見席内を分ける手すり下の「笠木部分」に足を入れて座っている人もおり、日本の劇場との違いに驚くやーぼ。
私は、座る場所がなかったため、立って鑑賞することになりました。
実は、昼間にセーチェニ温泉(Széchenyi gyógyfürdő)で6時間ほど泳いだためか、とても疲れていて、すごく、すごく座りたかった…。
■バーコーナー
ハンガリーは、どこの劇場もバーコーナーが日本と比べて充実している印象があります。日本は、もっと種類も少なく、こじんまりとしている印象ですが、ハンガリーは持ち帰り専用のカフェのようです。
そして、決して長くない休憩時間にも関わらず、多くの人々がバーコーナーを利用しています。
中には、こんなにたくさん、休憩時間中に食べられるのだろうか?と思うようなパンなどもありました。にも関わらず、次の部が始まる前にバーコーナーの聴衆が収束する不思議。
やはり、慣れているからなのか。
TVでしか見たことのなかった韓国の伝統的な踊りをまさか、ハンガリーで観るとは。不思議な感じでした。民族舞踊って素朴だけど好きです。
館内には、楽器屋さんや
ショップもあります。
立ちっぱなしはしんどかったけれど、素敵な劇場だったなー。満足。
そんなことを思いながら、外に出ると
・・・!!!
昼間とは打って変わって、建物が鮮やかにライトアップされていました。キューブの上に乗った2つの小さなキューブが赤く光っています。
ガラス張りの室内からこぼれる温かい黄色とオレンジを混ぜたような光、そして、劇場の上は、燃えるような赤。
斬新だね。斬新だよ。
現代ならではの技術と表現で、多彩な表情を見せる、ブダペスト芸術宮殿。その圧倒的なスケールと斬新さに魅了された劇場体験でした。
■平和な旅行記事が続いておりますが、実は、この数日後に、飛行機に乗り遅れたことの次くらいに、ビックな事件(クレジットカードが破壊されたり、突然アパートが停電したり)が起きるのですが、なかなか執筆が進まず…。
果たして、執筆できるのか?
ハンガリーに行こうとしたら飛行機に乗り遅れた話は、こちらの記事をどうぞ↓
■次回
ここは、おとぎの国か!?絵本の中か!?
マダック劇場 Madách Színház へ メリーポピンズを観に行く。
つづく。
この記事が参考になりましたら、ぜひ☆彡
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