案内係やーぼのブログ

コンサートホールで案内係をしている著者が、出演者・聴衆・スタッフの思いが響き合い乱反射する、劇場の魅力を語ります。

ハンガリー【A38 Ship】船のなかの劇場に潜入する

【ハンガリー滞在記2019】#15

2019年4月17日 後編

夜は、A38 Ship ( A38 Hajó)へ

ここは、ブダペスト・スプリング・フェスティバル(Budapesti Tavaszi Fesztivál 2019年4月5日~4月22日)の会場の一つで、

不思議な名前のホールだなと思いながら、行ってみると。
 
船だ。


船に乗り込みます。

船の中にはレストランもありました。甲板は、出入り自由。



入り口を入って、反対側に出てみます。天気も良く、いい眺め。



椅子や机もあって、くつろげるスペースがあります。

船として動くことはなく、永久に停泊しているため揺れはありません。



この時は、コンサートの開演、3時間ぐらい前。あらかじめ、チケットを買っておこうと思い窓口へ向かうと、今は売っていないので、コンサートが始まるころに来るように言われる。

公演カレンダーを見ると、人気の公演はすでにSOLD OUT 。



せっかくなので「ブダペスト中央市場 Nagy Vásárcsarnok」を散策して戻ってくると
あたりは暗くなり、A38 Hajóはライトアップされ幻想的な雰囲気を醸し出していました。



先ほどの閑散とした場内とは違い、大勢の人たちでにぎわっています。そして、無事チケットを購入。よかった!

しかし、チケットに席番がない?

入り口で腕に紙製のリストバンドをつけてもらい、自由席なのかなーと思いつつ地下に降りていくと、なんとここはライブハウスでした。(多くの人は気づくと思う。でも私は、ホールや劇場と聞いてライブ会場を思い浮かべられませんでした。)

地下には”Rruhatár(クローク)”



”ORRBÁR” バーもあります。



そして、”KONCERTTEREM(コンサートホール)”



ホールの中にもバーカウンターがあり、みな飲み物片手に大騒ぎ。実は、この日の公演内容がよく分かっていなかったのですが、劇場に興味があって訪れました。なので、予想外の雰囲気にドキドキ。

席はなく、全員立ち見です。そして、コンサートが始まります。



前半は、女性3人による民謡(だと思う)。とてもハイレベルで美しい。素朴なメロディーとハーモニーが合唱やベルカント唱法とは違う民謡の良さを伝えてくれます。いいね!いいね!

休憩時間になり、後半もこんな感じなのかなと思いきや・・・。

後半は衣装も変わり、突然のポップス。とても激く、先ほどの歌手と同一人物なのかそうでないのか。どこかの国のポップスだと思うが、一緒に口ずさんでいる人もいて、一曲終わるごとに悲鳴のような歓声が響く。


何が起きた!?


勝手にスプリング・フェスティバルは、クラシックだけだと思っていたため、あまりの急展開にただ一人ついていけないやーぼ。


全員立っているので、背の低い私は、舞台がよく見えない。

アーティストはハンガリー語でも英語でもない言語で歌っていたが、トークは終始英語だった。

そして、アーティストが

「Are you tired?」と聞くたびに、会場中から


NOOOOOOO!!!


という悲鳴のような叫びが。

「乗ってるかい?」「イェーイ」みたいなものだろうか。
みんなが疲れたら、このライブは終わってしまうのだろうか。

疲れない限り、歌うということか。

そして、最後どのようにして終演したのか覚えていないのですが、普段ライブに行く機会がほとんどない私にとって、何もかもが新鮮な体験でした。


■次回、ハンガリーの観光名所セーチェニ温泉(Széchenyi gyógyfürdő)へ行く!