案内係やーぼのブログ

コンサートホールで案内係をしている著者が、出演者・聴衆・スタッフの思いが響き合い乱反射する、劇場の魅力を語ります。

ハンガリー【セントラル劇場】最新鋭のクロークシステムを目撃する!

【ハンガリー滞在記2019】#21

2019年4月20日 後編2

■セントラル劇場 (Centrál Színház)

ブダペストオペレッタ劇場 (Budapesti Operett színház)で、ミュージカル「レベッカ」を鑑賞した後は、セントラル劇場 (Centrál Színház)へ。

セントラル劇場 (Centrál Színház)は、ハンガリー国立歌劇場(Magyar Állami Operaház)のすぐ近くにあります。

この日は、ミュージカル「マイフェアレディ My Fair Lady」を鑑賞しました。



セントラル劇場 (Centrál Színház)は、新しくてとてもモダンな劇場で、場内はとてもシンプル。



が、しかし、エントランスは、私が今まで訪れてきた劇場とは、様子が違いました。

シンプルな白い天井、紫色にライトアップされた壁、ロビーを貫く赤と黒の柱。エントランスの吹き抜けの空間に下がる、網状の袋にライトをつけたようなシャンデリア。



壁をよく見ると、壁の前に網が張られていて、壁と網の間に紫の照明が間接照明のように仕込まれている様子。



ロビーに置かれた、椅子も机もデザインが斬新です。こんなムーディーな劇場は初めて訪れました。劇場というより、音楽バーのような、ライブハウスのような雰囲気です。




■クロークのハンガー

私が、セントラル劇場でとても驚いた仕様があります。それは、

クロークです。

みなさんは、クロークにどんなイメージをお持ちですか?もしかしたら、クロークなんて使ったことのないという方、使うけれども覚えていないという方、いろいろいらっしゃると思います。

私は普段劇場で、クローク業務に携わっているのですが、多くの場合お客様からコートをお預かりして、ハンガーにかけてお渡しした番号札の順に並べていきます。

そして、お返しするときは、番号札の番号を頼りにコートを探して持ってくる、という意外と原始的な作業をしています。

預かり件数が多くなってくる冬場のクローク業務は、汗だくになりながら走り回ります。それが、クローク業務担当になった時の宿命なのです。

しかし、セントラル劇場は、どうでしょう?

その驚きのシステムが、こちら↓



こんな工場のようなハンガーシステム、劇場で初めて見ました。

手前にカウンターがあり、預かったコートを自動ハンガーシステム(勝手に命名)にかけていきます。

私は、クロークを利用しなかったので、詳しくは分からないのですが、たぶん番号を入力すると、手前にそのコートが回ってくるシステムだと思います。

そう、係員は走り回る必要がないのです。回ってくるから。

このくらいの広さのクロークなら、人が取りに行った方が早いのかもしれません。

しかし、このメカニックさ。このモダンかつ斬新なセントラル劇場にはぴったりの仕様です。


私もこの劇場で勤務して、このクロークの有効性を確かめたいです。


■マイフェアレディ My Fair Lady

チケットは完売らしく、前日に買いに行った時点で一席しか残っていないという人気ぶり。

しかも私の席は、車イス用の取り外しができる席だったので、本当に最後の一席だったんだなと思いました。

この劇場ほかの劇場と異なるのは、ハンガリー語上演なのに字幕がありませんでした。

地元向けだからか?

あるいは、My Fair Ladyの発音の練習をするところやうまく発音できないところを字幕で表すことは難しいからかな…。

ですが、ほかのミュージカルもそうですが、言葉が分からなくても伝わってくるものがあって、とても楽しかったです。


中でも、父親役の役者さんの酔っ払いの演技が本当に素敵で、どうしたらこんな風にできるのだろうととても興味がわきました。

■ケバブ

公演が終わって劇場を出ると、外は暗くなっていました。道を歩いているとケバブを売っているお店がありました。


普段、ケバブを食べることがないので、あえて食べてみようと思い、購入。



この国では見た目からは、味が想像できないものが多く、このケバブも想像していた味とはかなり違いました。普段食べないから味を知らなかっただけですが。これも一つの経験ですね。

でも、本格的な味なのではないかと思いました。


オペラ座も見どころ満載ですが、対局をなすセントラル劇場ももう一度訪れたいです。


■次回

市場でフォアグラを買って食べてみました。

つづく。

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