【ハンガリー滞在記2019】#12
2019年4月16日前編
今回は、ルダシュ温泉(Rudas gyógyfürdő)について書こうと思う。しかし、その前にこの日の朝起きた事件について書きたい。
タオルを中庭に落としました…。
タオルとは、私が借りているアパートメントに備品としてあったタオルだ。朝、タオルについたゴミを払おうとして、ベランダではたいたら、タオルごと落としてしまったのだ。
せっかくハンガリーにも慣れてきて、穏やかな朝だなーと思っていた矢先。なんで、私はこんな失敗ばかり…。
だが、借りている部屋の備品なので、なくすわけにはいかないと思い拾いに行きます。
が、しかし。
中庭へのルートが分からない。中庭への行き方は教えてもらっていなかったからです。
はあ。。。中庭どこ?
そして、かなりの時間をかけて中庭を探しました。
ちなみに中庭はこんな場所で1階だとばかり思っていたのですが、1階のエントランスを探しても、駐車場のようになっていて、このような場所などない。一体どういうこと?
外に出て、アパートの周辺を回ってみるのですが、ハンガリーはセキュリティーが厳重なので、外からは見えず、いったいこの場所がどこにあるのか分からないのです。
さんざん、探したあげく、なんとこの場所は2階部分でした。建物の外を歩き回ったり、のぞき込んだり、エントランスを行ったり来たり、この様子を誰かが見たら、不審者だと思われてもおかしくありません。
本当にドキドキ、朝から疲れた。
■本屋さん
そして、ルダシュ温泉へ。
ルダシュ温泉(Rudas gyógyfürdő)へ行こうとしたら、バスが目の前で出発してしまった。バスを乗り継いでいくが、乗り継ぎの停留所まで、バスで5分なので、歩いてみることに。
すると本屋さんが並ぶ通りを発見!
気になったので、寄り道して本屋さんに入る。
すると!!
レジのところにコンサートの情報が載ったフリー冊子が、たくさん並べてあるのを発見。
そして、大きな地図や現在も使っている、ハンガリー語の旅の会話帳を購入しました。
「LINGEA」という題の本は、ハンガリー人が日本を旅行する際に、旅のさまざまなシーンで、日本語でどう言うのかが書かれたもの。
サイズも文庫本よりやや小さく、コンパクト。
左側にハンガリー語が書かれていて、その対訳の日本語が右に書かれています。なので、ハンガリーに滞在しているときもそうですが、日本で、ハンガリーのアーティストと仕事をしたときにも重宝しました。
■ルダシュ温泉(Rudas gyógyfürdő)
ルダシュ温泉 Rudas gyógyfürdő
月・水・木・金が男性のみ。
火は、女性のみ。
土・日は混浴。
ハンガリーの温泉は、混浴が多く、基本的に水着を着て入る。
しかし、ルダシュ温泉は、平日は男性専用と女性専用の日が分かれている。そして、なぜか男性専用の日が多い。なので、この日数少ない女性専用の日にルダシュ温泉に行けるのを楽しみにしていた。
更衣用のキャビン↓
入り口で渡されたバンドをかざしてロックをON・OFFする仕組み。↓
ルダシュ温泉も、先日訪れたキラーイ温泉と同じく、トルコ式で真ん中に大きな浴槽があり、それを囲むように4つの温度の異なる浴槽がある。それとミストサウナもあり、サウナはかなり高温で息苦しいレベル。
ぬるい浴槽と熱い浴槽やサウナを行き来し、3時間ぐらい過ごす。
ハンガリーと日本の温泉の違いは、いろいろある。
日本の温泉は、裸で入浴し、水温が高く、熱いお湯につかって静かに過ごすイメージ。
対して、ハンガリーの温泉は、水温が低く、水着を着て入るところが多く、プールもあったりと、ざっくりいうと日本でいうところのスーパー銭湯とプールの複合施設という感じ。また。タトゥーがあっても入ることができるのも大きな違い。
ハンガリーでは、タトゥーのない人を見つける方が難しいのではないかというほど、タトゥーをしている人が多いので、必然かもしれない。
私にとっては驚きだが、そこは文化の違いなので、とやかく言ったりはしない。郷に入っては郷に従えだ。
■温泉×エプロン
そして、もう一つ文化の違いを強く感じるものがあった。それが、更衣室の入り口で配られた
エプロンだ。
この日は、女性のみの日。そのためか、日本の温泉のように水着を着ていない人や、トップレスの人がたくさんいる。
更衣室の入り口で、サウナなどで下に敷くための白いシーツのようなものと、綿の白いエプロンを渡された時、このエプロンはなんだ?と思っていたが、浴室内を歩くときなどに前を隠すためのものだった。
ちなみにエプロンをつけたまま浴槽に入ってもOK(水着を着ていれば、なくても困らないと思う。)
裸で温泉に入浴するのが一般的な日本で育った、日本人の私は、初めこれがどのタイミングで使うものなのか分からなかった。
混浴で、水着の着用が一般的なハンガリーでも、男女別の温泉では裸で入ってもよい。
しかし、上は脱いでも下まで脱いでいる人は少なく、全員が裸ではないところで、下まで脱ぐのは確かに抵抗がある。
私も、水着を脱いでもよかったのだが、上を脱いだり着たりを繰り返していた。
ハンガリーには、日本ほどそういう習慣がないからか、露出の高い服は着ても、温泉で素っ裸でいるのは恥ずかしいのかもしれない。(観光に来ている人の中にはそもそも温泉の文化がない国の人もいると思う。)
それに対する最大限の配慮がエプロンなのだと思う。
だけど、想像してみてほしい。
布のエプロンを身に着けて、水にぬれれば、当然のこと、布が体にぴったりとくっついてしまう。すると、いろいろ透けて見えて、逆に・・・
セクシーというか、シュールというか、(言葉を選んでおります。)
いろいろ思うところがあった。また、体型によってはエプロンで覆えていない部分もあり
・・・。
エプロンの意味とは?
というか、隠せてないじゃん。
隠す役割を果たせているのは、浴槽に訪れたばかりのエプロンがまだ水にぬれていないほんのわずかな時間だけで、それ以降は、その役割を果たせていない
というか、逆にいろいろ強調されているんですよ。
それが悪いとか、体型がどうとか、そういうことが言いたいのではなく、単純に温泉に裸で入浴するのが一般的な国で育った私にとって、温泉でエプロンをすることが新鮮に映ったということだ。
これが文化の違いか。実に興味深い。
エプロンがなかったら、たぶん、今まで書いたことはあまり気にならなかったと思う。
隠すという役割を果たせているかどうかと言われたら、私には分からない。しかし、布一枚があるかどうかで、温泉が楽しくなるならそれが正解なのだ。
ちなみにガイドブックには、男性は前掛けのような形の布を渡されるという記述が、、、
それも興味深い。体験した人がいたらぜひ教えてほしい。
■まとめ
エプロン談義で終わりそうになっているが、私は、先日訪れたキラーイ温泉や今回のルダシュ温泉のようなトルコ式の温泉が好きだなと思った。
まるで、遺跡の中にいるようで、幻想的で落ち着くからだ。浴槽の温度もいろいろあって、特にあまり入っている人はいなかったが、日本の温泉と同じ熱いお湯の浴槽もあるところがよい。私は、熱いお湯が好きなようだ。
この日の夜は、 ウラニア国立映画劇場(Uránia Nemzeti Filmszínház)へジャズを聴きに行く。
ヨーロッパの劇場と言えば、歴史ある建物と美しい装飾が見どころの一つ。しかし、この劇場は、ほかの劇場にはまずない、あるものが場内にありました。
日本のさまざまな劇場で、公演に関わってきた劇場係員の私も見たことのない驚きの光景について、お話します。