案内係やーぼのブログ

コンサートホールで案内係をしている著者が、出演者・聴衆・スタッフの思いが響き合い乱反射する、劇場の魅力を語ります。

案内係の適正は暴力に立ち向かえるかどうかだと思う

■案内係なのに、案内係が向いていると言われるのが好きではありません。

みなさま、こんにちは。

本日のお話は、毒にも薬にもならない(と思われる)単なる愚痴です。

最近気づいたのですが、私は、案内係の仕事について知らない人に「案内係の仕事が向いてますね」と言われるのが好きではありません。

以前案内係について分かっていない人に「ずっと案内係の仕事を続けなよ」と言われて、なんだかいやな気持ちになりました。

私は、案内係をしている人から「この仕事が向いている」とか「続けてほしい」と言われると、嬉しい気持ちになります。ですが、この仕事について知らない人にそう言われても嬉しくないどころか、ちょっと嫌だなと思ったのです。

なぜだろう?

私もそうですが、ある職業名を聞いて、想像できる仕事はほんのごくわずかで、その実情は理解できていないかもしれません。

案内係が向いているとかいないとか言う前に、その人が案内係についてよく理解していないなと思ったことも、いやだなと思った原因の一つかもしれません。

私に、「案内係の仕事を続けなよ」と言った人は、コンサートに行ったとき、どれだけそこで働くスタッフに敬意を払っているだろうか?この人達のおかげで、私はコンサートを楽しめているんだという気持ちがどれだけあるか?

きっと、そうではないと、感じたのです。

自分がたいして敬意を払っていない職業を続けなという言葉の裏側には、何があるのかと考えた時に、低く見られていることが読み取れて、私は、悲しい気持ちになりました。

以前の記事でもお話しましたが、案内係の存在を強く意識するときの多くは、何か困ったことがある時やクレームがある時・・・だと思う。

そして、適切な案内をされると、案内係のサポートなど忘れさり、

不適切だと思うときのみ記憶に刻まれ、「このホールのスタッフはこんなことも知らないのか!」とか「最近の若い子はダメだ」とか「このババア!」とか言い始める。そして、よく言葉も含めて暴力の対象になります。


そういう現実をよく理解していると、向いていると思っても、「続けな」とは簡単には言えないなー。なぜなら、これから先も、暴力などの対象になれと言っているのと同じだから。

この気持ち、分かるだろうか?なんだかうまく言えないのですが、みなさんはどう思いますか?

案内係は、誰でもできそうで、誰でもできる仕事ではない。

おとなしい性格だからクラシックホールが向いているとも限りません。なぜなら、クラシックホールは、自分の権威を誇示したがる人や高齢で手助けが必要な人、案内係や若い女性を見下すような人が来場する確率が高く、それに立ち向かえるような人材でなければ務まらないからです。

だからと言って、案内係はそういうことを言われてもいい人と言うわけではありません。

それを、言われて当たり前だと思っている人に、案内係が向いているとか、続けろとか言われたくない。

■まとめ

案内係の仕事を理解していない人に、「この仕事を続けな」と言われると、あなたに何が分かるんですか!?と思うというお話でした。


 

ya-bo.hateblo.jp