案内係やーぼのブログ

コンサートホールで案内係をしている著者が、出演者・聴衆・スタッフの思いが響き合い乱反射する、劇場の魅力を語ります。

コンサートホールの係員はチケットの何を確認しているのか?

みなさんは、クラシックのコンサートに行ったことがありますか?
今回は、クラッシックコンサートについて係員の目線からお話します。

コンサートに行くと入口で係の人にチケットを見せて半券を切り取ってもらい、
入場するのが一般的。

しかし、現在はコロナ禍ということもあり、ほとんどのホールでチケットを係の人が「目視」した後、半券を「お客様自身が切り取って」かごなどに入れる形式が取られています。

チケットは「紙のチケット」「電子チケット(スマートフォン)」「カード(会員証)」など、さまざまですが、今回は「紙のチケット」についてお話します。


係員は「チケット」のいったい何を確認しているのか?

それはずばり、
・公演名
・会場名
・日付
・時間
・座席番号
です。

例えば、
・公演名:荘厳なるオーケストラコンサート
・会場名:○○コンサートホール
・日付:2021年7月23日
・時間:19:00開演
・座席番号:1階席K列23番
のような。

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係員はこれらの情報を瞬時に読み取り、「確実にこの公演のお客様である」という
ことを確認しているのです。

なぜこんなことをしているのでしょうか?

それは、「このコンサートのお客様以外の人が紛れ込んでしまうのを防ぐため」です。時々ですが、間違えて来てしまう方がいらっしゃるのです。

「そんな人いるわけないだろう!」と思う方もいらっしゃると思いますが、断言しましょう。

います!

では、どのような事例があるのかご紹介します。

■会場
まず、会場について。

一つの建物の中に「大きいホール」と「小さめのホール」といった複数のホールがある施設。この場合、本当は「大ホール」なのに「小ホール」に行ってしまう、

または、「小ホール」なのに「大ホール」に行ってしまう、ということがあります。

特に「開場時間」や「開演時間」が同時だったり、近かったりすると、
人の波に流されて間違えてしまうのです。

■日付
もう一つは、日付。

本当は「昨日」だったのに「今日」来てしまった。
あるいは「明日」なのに「今日」来てしまった。

などです。

これは、「同じ公演が一定期間行われる場合」によくある間違いです。
公演名が同じために間違ってしまうようです。

あるいは、「セット券」で「同じシリーズのチケット」を複数枚購入していて、違う日のチケットを出してしまうということもあります。
この場合、「本日のチケットはありますか?」と伺うと、だいたいチケットホルダーに
入っていることが多いですね。

 


■時間

「公演名」「会場名」「日付」があっていれば、「時間」を確認する必要はないのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれません、

が、

そんなことはありません。

なぜなら、「昼公演」と「夜公演」がある場合。
「昼公演」なのに「夜公演」に来てしまう。
または、「夜公演」なのに「昼公演」に来てしまう、ということがあるからです。
なので、一日のうちに複数の公演があるときは、「時間」をより注意して見ています。



■座席番号
座席番号を見るのは、「指定席」の場合です。

大きいホールや複雑な作りのホールでは、迷子になってしまう人も少なくありません。そこで、お客様が「よりスムーズに自分の席へ行けるように大まかな順路をアナウンス」するのです。

例えば、
「1階席」は建物の「1階」からしか入れず、「2階席」は建物の「2階」からしか
入れない場合、
「1階席」の人へは「突き当りの扉からお入りください」、「2階席」の人へは「お二階のお席ですので一つ上のフロアにお上がりください」など、入り口でアナウンスすることで、自分の席が分からず見当違いな方向へ行ってしまうのを防ぐ目的があります。

いかがでしたか。
本日は、係員がチケットの何を確認しているのか?
とその意味について、簡単にご紹介しました。

 

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