■指定席だけど、どうしても、どうしても、どうしても、座席を変えたい。
と思ったことは、ありませんか?
本日は、クラシックコンサートで座席を振り替えることについてお話します。
(※この記事は、あくまでクラシックのコンサートについて、その中でも私が勤務しているホールではこういう対応になるという、限定的な場面であることをご承知おきください。)
■まず、基本的なことですが、一度購入したチケットの座席を変更することはできません。なので、座席を変更するということは、特殊なことで、特例で行われるということです。
座席は、ただ単に座るための場所ではなく、お客様は、そこに座る権利を買っていて、その証明がチケットなのです。
なので、指定席なのに勝手に違う席に座るのは、マナー違反ではなく、一席分の料金で二席分を確保しているので、違法です。勝手な席移動に伴うトラブルについては、語り出すとそれだけで終わってしまうので、今回は割愛します。
ですが、周りに明らかに迷惑な人がいるせいで、せっかくのコンサートを楽しめないのは、こちらとしても本意ではありません。もし、振り替えられる席があるなら、我慢してまでその席に居続ける必要もないと思っています。
ならば、正式に振り返ればよいのです。
■座席変更を申し出てみよう
席を変更する際に知っておいてほしいことがあります。
・満席などの理由で、変更できる席がない場合がある。
・現在の席よりランクが下がったり、見ずらい席になってしまうことがある。+多くの場合、差額は返金されない。
・新しい席に振り替えるには、主催者から許可をもらう必要があるため時間がかかる。
つまり、「この席はいやだけれど、そっちに空いている席があるからそっちの席に座ってもいいですかね」という安易な気持ちで申し出ても、割と面倒な手続きが待っているということです。
それらを理解したうえで、どうしても変更したい。→可能です。
案内係を見つけて伝える内容は
・自分の座席番号
・変更したい理由
・(原因となっている人の座席番号)
・何人で移動したいのか
例:自身のチケットを見せながら「私は、1階席〇列〇番に座っているのですが、隣の〇列〇番の人の○○な行為がどうしても気になって演奏に集中できないので、連れの〇列〇番の友達と二人でほかの席に移りたいです。」
すると、係員はチーフにつなぎ、主催者に変更できる席がないか聞いてくれます。その時、私は、申し出た方に目印になるものがある、分かりやすい位置でお待ちいただくようにしています。同じスタッフが対応するとも限らないので、たくさんのお客様に紛れて分からなくなってしまうことがあるからです。
なので、自分の存在が係員から見つけやすいように、「この柱の前で待っています」など目印になるものの近くにいると、スムーズかもしれません。
係員に提示された変更先の席と現在の席を比べて、やっぱり変更したいと決めたら、変更前のチケットの本券を係員に渡し、半券を切った新しいチケットを受け取り、変更先の席に着きます。
席振替完了!
理想としては、開演時間の10分前まで、休憩時間だったら休憩が終わる、10分くらい前まで、申し出ていただけるとスムーズです。
5分前は、扉を閉めたり、直前の席案内などで忙しいので、席の振り替えが間に合わないこともあります。
直前になってやっぱり変えたいということはあると思いますが、「い、今ですか!?」と思ってしまいます。
それと、申し出るとき「クレームじゃありませんから」という主張を繰り返し、本題をなかなか切り出さない人がいますが、係員は一人で何百名もの方々をフォローしなければなりません。
その問題が、自分ひとりで何とかなるものなのか、主催者に相談しなければならないことなのかで、次に起こす行動が変わってくるので、ほかのホールがどうなのかは分かりませんが、とりあえずは「席を振り替えたい」と一言目に言ってほしいと私は思います。
結論:指定席における座席の振り替えはできることもあるが、割と面倒な手続きが必要である。
本日は、どうしても座席を振り替えたいときの手続きについてお話しました。