■本日は、コンサートで起きる座席のダブルブッキングの際のチケットの効力についてお話します。
コンサートでは、一つの座席の予約を二重に受けること、つまり、一つの座席を複数の人に配席してしまうことを「ダブルブッキング」と呼んでいます。
指定席のコンサートで、自分のチケットに書かれている座席番号の席に着こうとしたところ、すでにほかの人が着席していたということはよく起きます。
しかし、確認すると多くの場合、どちらかが座席番号を読み間違っているために起きていることがほとんどです。
私達は、お客様から「ダブルブッキングしているんですけど」と声をかけられたら、まず、先におかけになっている方と後からいらした方の2枚のチケットの券面を確認します。
確認する内容
それはずばり、
・公演名
・会場名
・日付
・時間
・座席番号
です。
詳しくはこちら↓
すると、
・2階席なのに1階席に座っていたり、
・バルコニー席なのにセンター席に座っていたり、
・バルコニー席の右・左を間違えていたり、
・「S席G列2番」を「S列2番」と飛ばして読んでいたり、
・「15列12番」を「12列15番」と反対に読んでいたり、
・「1」や「7」、「O」や「Q」など似ている文字を間違えて読んでいたり、
・指定席なのに自由席だと勘違いして、適当な席に座っていたり、
筆記試験の凡ミスにあたるようなものが多く、よく確認すればおおかた解決します。
特に大手のチケット会社が発券しているチケットで、そのようなことが起きることは極めてまれなことです。
ちなみに、座席番号以外の項目も確認するのは、ごくまれにほかの公演のチケットだったりすることもあるからです。
■チケットの効力について
では、本当にダブルブッキングだった場合どちらのチケットが有効になるのでしょうか?
私が勤務しているホールの場合のお話をしましょう。この問題は、とても複雑でケースバイケースなので、「一般的には」と思って読んでください。
①座席番号が「印刷(印字)」されたチケットと「手書き(仮券)」のチケットがあった場合、座席番号が「印刷(印字)」されたチケットが有効になる。
印刷されたチケットの方が効力が強く、手書きのチケットは「仮券」(すべてのチケットが手書きや手押しのスタンプだった場合はその限りではない)と呼ばれオフィシャルなチケットとはみなされません。ですので、ダブルブッキングしていた場合は、手書きのチケットをお持ちの方に他の席に移っていただいています。
②どちらも「印刷」あるいは、どちらも「手書き」で同じ効力を有するチケットを所有していた場合は、「先に着席していた方が優先」され、後に到着された方をほかの席へ振り替えます。
③どちらも「印刷」だった場合、大手のチケット会社と主催者オリジナルのチケットなど発券元が違っていても、チケットの効力は同じ。「先に着席していた方が優先」され、後に到着された方をほかの席へ振り替えます。
■延期のチケットはどうか?
・公演の延期によって、そのチケットが次の公演でも有効になった場合。古い日付のチケットと新しい日付のチケットの効力は同じ。
例えば、「2020年」に行われる予定だった公演が、翌年の「2021年」に延期になり、「2020年」のチケットが「2021年」も有効だった場合。
「2021年」のチケットを持っていた方が先に着席していて、「2020年」のチケットを持った方が後から来た場合、先に着席していた「2021年」のチケットを持った方が優先されます。
人の情に乗っ取って考えれば、一年前から払い戻しもせずに楽しみに待っていた人が、発券元のミスという不可抗力によって、後から購入した人に席を取られてしまうなんてと思うかもしれません。
コロナによって多くの公演が延期を余儀なくされ、このような事例は多発しました。しかし、少なくとも私が関わった公演では、先にチケットを購入していたからという理由で、主催者が後から来た方を優先させたことはありません。
ですので、これから延期公演のコンサートに行かれる方は、なるべく早く行って座席を確保することをおススメします。
■本日は、コンサートで時々起きる座席のダブルブッキングの際のチケットの効力についてお話しました。ほかにも、こういう場合はどうなのだ?という質問がありましたらお寄せください。
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