案内係やーぼのブログ

コンサートホールで案内係をしている著者が、出演者・聴衆・スタッフの思いが響き合い乱反射する、劇場の魅力を語ります。

こんなホールを見つけました!群馬の青空に浮遊する繭【美喜仁桐生文化会館】

◼️はじめて、群馬県のホールを訪れました。

9:00の開館時間に間に合うように、6:07の新幹線に乗ります。久しぶりの新幹線♪
以前、合唱でよく東北を訪れていましたが、新幹線で向かう時は、いつもすごく緊張します。乗り遅れたら、次がない。特に早朝は、絶対にこの新幹線に乗らなければいけないというプレッシャーがあります。

前日は、22:00頃まで劇場におり…。

はたして、起きられるのか!?

起きるしかない。起きられるのか!?起きるしかない。
と自問自答しながら寝ました。

そして、当日。何とか起きて、東京駅へ向かいます。余裕を持たせて、改札へ♪

しかし、何年も新幹線に乗っていなかったので、3枚ある切符のどれを入れたらよいのか分からなくなり。

焦りましたが、ギリギリで乗れました。

ホッ。

今日のミッションは、これで終わったと思えるような安堵に包まれました。


■美喜仁桐生文化会館

文化会館や市民会館というと、なんとなく、古くて四角い建物という印象があり、今回もそんな場所なのではないか…と思いながら訪れました。

桐生駅は、のどかな落ち着いた場所です。
そこから徒歩で、てくてく歩きます。

文化会館は、どこかなー。

!?


なにかある。
これは一体?


・・・。

なんと表現したらよいのか。白く美しい外観の建物がそびえておりました。

■ホームページによると

美喜仁桐生文化会館は、大ホールや小ホール、会議室、展示ホール、アトリエ、練習室を備えた、複合的な施設で、

「優れた芸術文化の鑑賞の場」「自ら創造し発信できる場」「生涯学習の観点に立った学習の場」「人と人との交流場」
という趣旨に基づいて、1997年5月に開館。

外観の大きな特徴である、円盤のようなものは、スカイホールと命名された、繭形の大屋根。遠くから浮遊しているように見えるよう設計されており、外壁は光の加減によって白やシルバー、光沢のあるグレーと表情を変えるのだそう。

なぜ、「繭」なのかというと、桐生は1300年の歴史を誇る「桐生織物」の産地であり、織物の街、桐生にふさわしいデザインを求めたため。



この会館は、館内もとても素敵。エントランスは、ガラスの天窓から光を取り入れたアトリウムになっていて、壁はコンクリートの打ちっぱなし。なんともモダンです。シルクホールのロビーもシンプルかつモダンで、まるで、美術館にいるよう。そして、窓からの見晴らしもなんて美しいのだろう。


シルクホール(HP参照)

www.kiryu-piif.jp


最大1,517席の大ホールである、シルクホールは、ゆったりとしたシートが千鳥配席で並んでおり、前の人の頭が視界を遮らないように配慮されています。

そして、使う目的によってステージの形を
・プロセニアムステージ
・フロントステージ
・スラストステージ
の3種類の形態に変えることができる。

さらに、音響効果にも工夫があり、残響可変機能を備えているため、クラシック音楽や演劇、講演会など使い方に応じて残響時間を変え、各催しにふさわしい音環境を実現。

その可動音響シェルター(たぶん音響反射板のことだと思う)は、多くのホールの場合、舞台の上空や下手・上手の袖の上空にしまわれていることが多いのですが、シルクホールの場合は、地下に格納されていて、音響反射板を使うときは、地下から迫り上げて使用するという大変珍しい構造。

ちなみに、壁面は織物のまち桐生にふさわしいように、シルクの光沢を表現した磁気タイルになっているという。

こだわっていますね!


■繭の形をイメージした大屋根

今回は、行けなかったのですが、高さ25メートルの屋根の上にはいくつかの会議室があり、見晴らしがいいそう。

機会があったらぜひ、上ってみたいです。

■とても素敵なホールだったので、さらに調べてみると、

設計を手掛けた「坂倉建築研究所(東京都)」は、近代建築の巨匠、ル・コルビュジエに学び、世界的評価を得た坂倉準三の流れをくむ建築設計事務所であるとのこと。

シンプルさと機能性の秘密は、ここにありそう。

また、楽屋エリアは、とても広かったです。


■仕事をしに行ったはずが、地域に根ざしたホールの魅力に心惹かれた一日でした。

〒376-0024
群馬県桐生市姫町2-5
TEL:0277-40-1500
FAX:0277-46-1126
開館時間:9:00~22:00
毎週火曜日休館
(祝日の場合は翌日)

施設は地上4階地下1階。高さは30.96メートル。鉄筋コンクリート造り。延べ床面積約18200平方メートル。