案内係やーぼのブログ

コンサートホールで案内係をしている著者が、出演者・聴衆・スタッフの思いが響き合う、劇場の魅力と影を語ります。

鑑賞を妨げる「におい」

■クラシックの鑑賞を妨げるのは「雑音」だけではない

鑑賞を妨げる要因として、いくつもの「音」があるというお話を何回か書かせていただきました。(詳しくは、こちらの記事をご覧ください。↓)

 

 

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その他にも、鑑賞を妨げるものにはいくつかあり、その一つが「におい」です。

私は係員になってから、お客様の「におい」を敏感に感じ取るようになりました。

それは、変な意味ではなく、「香水の匂いの強い人」や「靴を脱いでいる人から漂ってくる足のにおい」、「気分が悪くて戻してしまった人がどこで戻したのか」など、目や耳だけではなく、鼻からの情報も公演を予定通りに進めていく、大切な要素だからです。

エントランスで、チケットをもぎりながら、こ…これは!?とかなり強いなにかを感じた時は、席の番号を控えておきます。また、シニアの方に時々あることなのですが、お召し物の下の部分が著しく濡れている場合は、それとなく近くによってそっとにおいを嗅ぎます。お飲み物をこぼしたのか、それともそれ以外の要因なのかを探るためです。

席の番号を控えるのは、清掃スタッフを頼んだり、場内で周りのお客様が不快になさっていないか、見守りを強めたり、席移動の希望を想定してご主催と相談したりするためです。

公演は時間との闘い、早期発見が重要です。それらに早く気づくことで、次の手を打つことができます。


どんなにすばらしい演奏も、自分が好みではない「におい」の前では満足度も半減してしまいます。

あまりの不快な「におい」に、席の移動を申し出る方もいらっしゃいます。

私の友達のお父様は、ある楽団の会員でシーズンやシリーズ中に、同じ席に座れるセット券を購入していました。しかし、いつも隣に座る人が靴を脱ぐ人で、その足の「におい」が不快だったため、セット券をやめたそうです。

こんなとき、係員が注意してくれたら…と思いますか?実は、

「におい」に関して係員から注意を行うのは極めて困難です。

なぜなら、本人にとっては慣れてしまっているものなので、気づいていないことが多く、「くさいですよ」とも言いづらいというか、言えない上、言われたところで「におい」を消せるわけでもなく…。

 

また、靴を脱ぐというマナーの関わる行為に対して声をかけることは簡単ではありません。

そのため、気になるほうの人に、移動していただくしかありません。これも、代わりのお席がある場合に限りますが…。

ちなみに、クロークでお預かりしたコートなどの香水のにおいがきつかった場合は、ほかの方のお召し物に「におい」が移らないように離しておくなどの対策を取ることはできます。


演奏会で周りの方の「におい」が気になるときは、開演間際ではなく、なるべく早めにご相談ください。

 

 

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