5級、4級に合格しました!——「伝える」という意志の記録
■ ダブル合格のご報告
手話技能検定5級・4級、無事に合格することができました。結果が出るまで長かった…。
今回の試験を振り返ると、技能検定は「指文字の読み取り」が重点的でしたが、全国手話検定は「表現の読み取り」が多いという印象。
正直に言えば、5級も4級も、特に4級の壁は私にとって高いものでした。
これまでは「接客」に特化した単語やフレーズを追い求めてきたため、試験勉強を始めるまで知らなかった単語の山。都道府県の表し方など、この機会がなければ触れることすらかったかもしれません。
「もうだめかも……」と、あきらめが半分。それでも、最後の最後まで粘りました。

■ 試験の緊張と追い込み
5級の試験が終わった直後、近くのカフェに駆け込んでパソコンを開き、DVDで4級の単語を再確認。合わせて、最大の山場である会話試験の内容をひたすら練習。今思い返しても喉が渇くような緊張感。
ふとした瞬間に、「なんで私はこんなことをしているのだろう」と自問自答することもありました。
でも、そのたびに自分を奮い立たせたのは、ひとつの問いでした。
「迎える側の私たちのほんの少しの努力で、劇場での体験の価値は最大化される」
劇場に来場される方々だって勇気を振り絞って、あるいは面倒な手続きをして、楽しみにして来場されているかもしれない。
■ 手話付きの公演
当時勤務していた劇場で、手話付きの公演が決まり、多くのろう者のお客様がいらっしゃる。その方々が、この劇場でどれだけ快適に、心穏やかに過ごせるか。その一点だけを考えて、私は手話を学び始めました。
もちろん、全て「身銭を切って」おります…。
残念なことを打ち明けると、バリアフリーをうたっておきながら、手話なんか勉強したくないという運営スタッフは最後まで学びを拒否していました。
でも、誰に言われるでもなく、手当が出るわけでもなく、自発的に手話を学び、工夫を凝らしておもてなしをしようとする案内スタッフたちの姿を見て。彼らの真摯な背中に、私も勇気づけられました。
■ 完璧ではなくても、向き合うこと
会話に課題のある私は、筆記問題を1問も落とすまいと集中しました。4級の会話試験では、試験官の質問が聞き取れず、「もう一度お願いします」と3回も聞き返してしまいました。
「もう何が何だか…」
けれど不思議なことに、試験官と必死に会話を交わそうとしたあの時間は、大変だったのになぜか「楽しい」と思えたのです。言葉の壁を越えて、誰かと通じ合おうとするエネルギーそのものが、私を突き動かしていたのかもしれません。
■ 合格を経て、今思うこと
合格をいただけた今、思うことがあります。
手話を始めたばかりの頃は、面接なんて到底無理だと思っていました。
完璧なんて、あり得ません。私はまだ、一歩を踏み出したばかりの初心者です。
けれど、人がどうあるかではなく、私はお客様を前にして「簡単なことすらわからない」という無力さを二度と味わいたくない。
その一心で学び、悩み、この合格を掴み取れたことは、私にとって何にも代えがたい大切な財産です。
この「新しい言葉」を大切に携えて、これからも一歩ずつ、歩んでいこうと思います。