案内係やーぼのブログ

コンサートホールで案内係をしている著者が、出演者・聴衆・スタッフの思いが響き合う、劇場の魅力と影を語ります。

【TBS赤坂ACTシアター】ハリー・ポッターと呪いの子

■ハリポッターと呪いの子を観に行きました

 

 

TBS赤坂ACTシアターが「ハリー・ポッター劇場」に!

数年ぶりに赤坂ACTシアターを訪れたら、「ハリー・ポッター劇場」に変わっていました。

以前、ここで勤務したときは「赤坂大歌舞伎」の公演が行われており、他にもミュージカルの公演をしているイメージがありました。しかし、久しぶりに赤坂駅の改札を抜けると、そこにはハリー・ポッターの世界が広がっていました。

ハリー・ポッターの音楽が流れ、床は赤い絨毯をイメージした装飾。ライトはまるでロウソクが揺れているような演出になっています。正面の階段には、劇中に登場する「タイムターナー」のオブジェ、その両脇の壁には額縁に入ったたくさんの肖像画。

学生のころから何かとご縁のあるTBSですが、ここ数年は赤坂自体を訪れる機会もなく、こんなことになっているなんて、とても驚きました。

TBS赤坂ACTシアター

TBS赤坂ACTシアターは、改装工事を経て「ハリー・ポッター劇場」として生まれ変わり、2022年から「ハリー・ポッターと呪いの子」のロングラン公演を行っています。

劇場の外観もハリー・ポッター仕様になっていて、4つの学寮の旗で装飾されています。TBS赤坂ACTシアターは、外から見てここが劇場だと分かる、都心では珍しい劇場だと思います。

日本の劇場やホールは、ビルの中にあることが多いですが、ヨーロッパのオペラ座のように、外観から劇場だと分かる建物はワクワクします。

建物は坂を活かしたデザインになっており、赤坂駅から劇場の入口までは、徒歩約2分。レンガの大階段を上がっていくと入口があります。

劇場の2階部分にエントランスがあり、そこから1階席の人は下へ、2階席の人は上の階へと移動する、少し複雑な造りになっています。

エントランスを入ると、床一面に赤い絨毯が敷かれ、外階段とガラスで区切られた劇場内の大階段から天井を見上げると、夜空を思わせる絵が描かれています。

キャストボードの代わりに設置されている本棚には、背表紙に役者の名前が書かれた本とともに、輸入されたと思われる本物のアンティーク本がたくさん並んでいました。

カフェも客席も、魔法の世界に入り込んだような手の込んだ造り。クリスマスの装飾も相まって、より一層、魔法の世界に迷い込んだような気持ちになります。細部にまでスタッフのこだわりを感じました。

「ハリー・ポッターと呪いの子」

物語の内容については、ぜひ実際に観ていただきたいので、詳しくは語りませんが、観劇して印象に残ったのは、マルフォイの台詞です。

「世界で一番難しい仕事は、子供を育てることだと言うが、それは違う。自分が育つことだ。みんな、大人になるのがどれだけ難しいか忘れている」

マルフォイは、これまであまり良い役として描かれることはありませんでしたが、だからこそ積み上げられた人間としての深みが、この物語ではしっかりと伝わってきました。

ハリー・ポッターが主人公であり、物語は彼の視点や仲間、息子との関係を中心に描かれますが、このマルフォイの言葉には、作者の思いや本質的なメッセージが込められているように感じました。

そして、もう一つ気づいたのは、この物語の主人公は、実はマルフォイの息子・スコーピウスなのではないかということです。物語の中で最も大きな冒険をしているのは彼だからです。彼は葛藤を抱え、突然事件に巻き込まれ、登場人物の中で最も多くの経験をしていきます。

また、この作品の最大の見どころのひとつは「ディメンター」だと思います。あの演出は本当に素晴らしいので、ぜひ観てほしいです。舞台上で最も本物に近いキャラクターだったと思います。本物を見たことはありませんが…。

とにかく、劇場の公演に数多く関わってきた私にとって、「よく日本での上演を実現させたな」と思うほどの大作でした。

ハリー・ポッターの世界観をここまで忠実に再現し、長期公演を成功させているのは、本当にすごいことだと思います。

少しでも興味がある方は、ぜひ劇場へ足を運んでみてください。魔法の世界に浸る、特別な時間が待っています。