案内係やーぼのブログ

コンサートホールで案内係をしている著者が、出演者・聴衆・スタッフの思いが響き合い乱反射する、劇場の魅力を語ります。

オーストリアからとんでもないものが届きました!

見知らぬ箱が届いたなと思ったら、年末にお仕事をさせていただいたオーストリアのオーケストラからでした!

中身は、開けてびっくり

ザッハトルテ(Sachertorte)でした。

調べてみて初めて知ったのですが、ザッハトルテはウィーンの代表的なお菓子で、一見してチョコレートケーキなのですが、決定的な違いは、ザッハトルテにはあんずジャムが使われていること。

私のところに届いたのは、そのオリジナルである「ホテル・ザッハ」のザッハトルテでした。ケーキは木の箱に入っていたのですが、包みを開けた時、想像していたものとのあまりの違いに思考が停止しました。こんな高価なものが届くなんて。

ザッハトルテを国際便で送ることができることにも驚き。
この贈り物は、年末に彼らの楽屋周りのお手伝いをしたときのお礼だというのです。

実は、私はこのオーケストラとお仕事をするのは今回が初めてでした。似たような名前のオーケストラはいくつもありますし、いつも通りお手伝いをさせていただいたのですが、リハーサルで彼らの演奏を聴いたとき、その音色の美しさに衝撃を受けました。

なんて豊かで美しい演奏なのだろうと思い、本番中もこの演奏を客席で聞けたらどんなにいいだろうと考えましたが、私は仕事に来ているのです。そんなこともできず、開演中は時々舞台袖で聞きつつも、そのほかの作業に追われていました。

そんな彼らの演奏でしたが、私がすごく残念に思ったのは、聴衆が少なかったことです。それは、座席を見ればすぐに分かるのですが、こんなに素晴らしい演奏なのに、もったいないという気持ちでいっぱいになりました。

どんなに素晴らしいオーケストラであっても、チケットが売れなければ、次回以降日本でのコンサートは少なくなる、あるいは呼べなくなってしまうこともあります。

私は、ドイツ語がほとんどできません。宗教的な歌の歌詞などで、分かるものもありますが、日常会話ができない…。(恥ずかしながら英語の能力も低く…。)

試しにハンガリー語で話しかけてみましたが、彼らには全く通じず…。隣の国なのに。


彼らは、私に友好的に接してくれましたので、自分の思ったことを伝えられないことがとてももどかしく感じました。

彼らの演奏会も残り数日になった時、何としてもこの思いを伝えられないかと考えました。そこで、お手紙を書くことにしたのです。

手紙は、ドイツ語で書きました。日本語で書いたものをドイツ語が堪能な方に訳していただいたのです。

なにかを受け取りたかったわけではありません。

素晴らしい演奏に対して「素晴らしかった!」という気持ちを伝えたかったのです。
表現しなければ思っていないのと同じです。

なので、こうして彼らに喜んでいただけたことがとても嬉しくて、暖かい気持ちになりました。私の業務を高く評価し、それを表現してくださったことに感謝をしています。

そして、年明けに素敵なプレゼントをありがとうございます!

感謝を込めて♬