案内係やーぼのブログ

コンサートホールで案内係をしている著者が、出演者・聴衆・スタッフの思いが響き合い乱反射する、劇場の魅力を語ります。

生誕110年傑作誕生・佐藤忠良【群馬県立館林美術館】

◼️生誕110年傑作誕生・佐藤忠良群馬県立館林美術館】に行ってきました!


ずっと行きたかった、『生誕110年傑作誕生・佐藤忠良』【群馬県立館林美術館】に行ってきました!

今年2回目の訪問となる、群馬県へ。
電車に揺られること2時間強、「多々良駅」に降り立ちます。


なんとも趣のある駅に着きました。


旅人になったような気分です。
この日は、あいにくくもりでしたが、かろうじて雨は降っていませんでした。


改札を出て、目に飛び込んできたのは、本日の目的地である「群馬県立館林美術館」の看板と3匹のたぬき。案内板には今回訪れる「生誕110年傑作誕生・佐藤忠良展」のポスターが貼ってあります。

多々良駅

さっそく美術館を目指して歩きます!
民家や畑はあるのですが、人通りはほとんどなく、途中で車が往来する道路がありましたが、歩いているのは私だけです。

道の両脇は、鮮やかな緑。


広い田んぼがあり、一面から稲の匂いがします。

こうして歩いていると、祖父の家を思い出します。祖父の家は農家で、夏になると青々とした畑や田んぼの周りで遊んでいました。あの頃は犬を飼っていて、その犬に会うのがとても楽しみだったなー。

時は、巻き戻せないけれど、その頃の経験が今の私の中に生きていて、私の行動基盤になっている気がします。


道を覆う勢いで、草木が伸びています。
ずんずん歩いていくと、もしかしてこれかな?と思う建物が見えてきました。


目標に向かって進んでいきます。



広い場所にたどりつきました。前方に田んぼがあるので、近寄っていきます。

 

すると、



一面の緑!
東京に住んでいる私には、信じられないほどの青さです。



そして、右を向くと・・・緑の芝生に包まれた「群馬県立館林美術館」が!!
ついに、やってきました!


写真で見たあのウサギが目の前に!


群馬県立館林美術館は、緑に囲まれた静かで、落ち着いた場所にありました。


入り口には、今回の展示会のポスターが張られていて、まるでパブリックアートのようです。たどり着けた嬉しさと、美術館の美しさとワクワクで、もう楽しい♪

 



滋賀県の佐川美術館を訪れた時も感じた、美術館そのものの美しさに浸ります。



本日は、平日だったこともあり、来場者はほとんどいませんでした。


ほぼ貸し切りの館内へといざなわれていきます。


はやる気持ちを抑えながら、順路に沿って進みます。


なんと美しい廊下でしょう。透明なガラスから見える風景からエネルギーを感じます。


さらに進んでいくと、だんだんと「佐藤忠良」の文字が見えてきました。


館内は静かで厳かな雰囲気です。


白い壁で囲まれた場内に並べられた佐藤氏のブロンズ像は、野外や公共施設で見る像とは違って見えました。

誰もいない静かな廊下


このガラス扉の向こうは、別館に続いています。

 


少し秋めいた木々が何とも言えず素敵です。


そして、こちらが 彫刻家のアトリエ(別館) です。くすんだ色のレンガと木の扉が印象的で、風景に溶け込んでいます。この建物が見えた時、まるで、絵本のなかに迷い込んだように錯覚しました。

この建物は、彫刻家フランソワ・ポンポン(François POMPON)の生まれ故郷であるブルゴーニュ地方の当時の農家をイメージして作られたもので、室内はアトリエが再現されています。


こちらのアトリエは、1933年に撮影された何枚かのアトリエの写真をもとに、塑像台や地図など、ポンポンのアトリエにあったオリジナルの資料と、20世紀初頭のアンティーク品を使って再構成しているとのこと。

天井の梁や扉は、外国から古材を輸入していることから、より忠実に再現しようとした担当者の思いが感じられます。

私は、フランソワ・ポンポン(François POMPON)のことを知らなかったのですが、彼の細部を省略し形態を単純化した流麗なシルエットによる動物彫刻を見ると、現代に通づるものがあり、戦前に生まれた人の作品とは思えないなと感じました。

 


このあたり一帯は公園になっていて、人は少ないものの、時折お散歩している人やランニングをしているがいて、こんなに洗練された場所が近くにあるなんてうらやましいなと思いました。



再び館内へ。透明感のある水面と青々とした草木、そして、それを眺めることのできる広いガラス張りの空間。美術館のどこを見ても美しくてため息が出ます。

このシンプルな美しさは、鑑賞を妨げず、作品を際立たせているのかもしれません。

 



ミュージアムショップで、書籍をいくつか購入した後、水辺に佇むワッフル専門店「エミール」で遅めのランチをすることにしました。

一続きになった廊下のガラスが美しく、鑑賞の余韻を残してくれます。ちなみにレストランは、貸し切り状態。


こちらでは、看板メニューの「エミールプレート」をいただきました。
ワッフル・ソーセージ・野菜という、私としては斬新でおしゃれな盛り合わせに、心惹かれます。

 


外は、大粒の雨が降ってきて、レストランを出るころには土砂降りになっていました。
この素敵な美術館にまたいつ来られるか・・・と思うと名残惜しかったのですが、帰ることにします。

群馬県で、またもや心惹かれる魅力的な場所を見つけてしまいました。また、訪れたいです。


■ジュニアガイド


展覧会の入り口にジュニア用の解説が置かれていました。この解説が、とてもよかったので、載せておきます。(3つ折りを開いたものです。)





生誕110年 傑作誕生・佐藤忠良
群馬県立館林美術館

開催期間:2022年7月16日(土)〜2022年9月19日(月・祝)
     ※会期中、一部作品の展示替えを行います。
前期:   7月16日(土)~8月21日(日)
後期:   8月23日(火)~9月19日(月・祝)
時間      9:30〜17:00 (最終入場時間 16:30)
休館日     月曜日 
観覧料     一般 830円(660円)・大高生 410円(320円)